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「スネかみ」とは、現実では無理のある、漫画ならではの描写のこと。たとえば、スネ夫の髪の毛のような・・・。この言葉は、今からおよそ10年前、「コロコロコミック」誌上で生まれたのだ!
(略)「ドラえもん」以外の作品でも、ツッコミは「スネかみ」。「コロコロ」読者の常識なのだ!「ドラえ本 ドラえもんグッズ大図鑑2」(小学館)1998.9 より
「こんなすごいかみがたになる!!スネ夫はへんたいだ!」
と、正面・後ろ・横方向で違って見えるスネ夫の髪型は現実的には説明が難しいことを言った読者のハガキがコロコロコミック1987.1月号に掲載された。これが反響を呼び、同趣向の投稿が増えた。同年9月号には「スネかみコーナー」が誕生する。
「ドラえ本」 に引用されているハガキを見ると、どういう立体構造になっているのか図を描いて説明を試みたり、シーンごとにかつらを変えているという説を唱えたり、スネ夫も変態だけれど床屋は大変態だという新たな観点を言ってみたり。“漫画ならではの描写” に“ツッコみ” をいれている。
私が生まれる前に誕生した同コーナーは、小学生になりコロコロを買いはじめた頃にもまだ続いていた。「爆球連発!!スーパービーダマン」 のサラーの前髪の分け目が向きを変えるとそれにあわせて反転する(ウィキペディアにも載っている!) というのと、「学級王ヤマザキ」 でブタ田が逆さ吊りにされてるのに涙が頬をつたっている、という投稿が印象的だった。
私はこのコーナーを思い出すたびに、“ツッコみ” と“粗探し” の違いは何かと考える。“漫画ならではの描写” だから現実的に検証すること自体無意味な行為だ。それを真剣にやって色んなアイデアがでてきたことが面白かったんだろうな、とスネ夫の髪型を言ったハガキをみて思う。でも、サラーの前髪とかブタ田の涙とかはどうなんだろう? ツッコみというより粗探しして喜んでるだけじゃないか?
作家も冗談のネタと受け取ってたのか、本気で受け取る人もいなくはなかったのか。読者がそういう読み方しかしなくなるんじゃないかと心配にならなかったか。サービスでわざと変なところを仕込んだりしなかったか。
色々と思う。
* * *
「スネかみ」 をやるときは、一応態度を明確にしておかないと冗談だと分かってもらえないかもしれないし、「スネかみ」 とは違うけど真剣にやってるのに冗談だと思われてもなんだか悔しい。どういうつもりで、ツッコむなり、揚げ足とるなり、冗談言うなり、論文書くなり、言っておかないとそれを読んだ人から誤解されたりして面倒臭い。
話者は態度を明確にする。
読み手は話者の態度を理解する。
ようにするとかすると良いのか知れないけど、難しいね(--)
わたしは曽山先生の作品に色々言っています。それを読んだ人がどう思うか心配です。
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