深水ニシンの個人サイト「あらしののはら」管理用ブログです。
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※ 感想を書くのに少々時間がかかりそうなので、取り急ぎ書けたネタをば。
すでに第12話でもみられたようにオイレンシュピーデルの話には糞の話が非常に多い。(中略)糞をめぐる民俗は極めて多様であって、古来予言や予防、薬、悪霊祓いのまじないなどいろいろな用途があった。ここでは単純に臭いもの、嫌うべきもの典型として用いられている。しかし単に嫌うべきものではなく、これを自分の中から生み出したという親密な関係にあるものなのである。オイレンシュピーゲルはいつでもとてつもなく臭いおならと糞を大量に放つ事ができた。これも常人のできることではない。英雄の条件を満たしていたのである。
キ●ンビール工場のような髪型の彼は
英雄になれるかもしれない!
・・・<英雄>って何?という疑問を仰られる方もいると思います。簡単に言えば“ふつうの人に出来ないことができる人”で、かつ“ある人々にとって良いことをした人”です。神さまから火を盗んで自由に使えるようにしたプロメテウスのように、何かしらの技術を人間にもたらした英雄は<文化英雄>というふうにも言われます。
さて、上記『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(岩波文庫)の注から引用したのですが、このオイレンシュピーゲルという人は“糞や屁を自在に出す”という超能力を持っている。その力で、聖職者や王様などを陥れて民衆の笑いの種にすることがある。
偉い人を陥れて民衆の笑いの種にする、という点で言えば、『でんじゃらすじーさん』の“(元)校長”が、役職から判断すれば立派ですごく偉い人のはずなのに、ろくなことをしていない。そういうギャップが面白い、という、そういう笑いと同質のもののように思えます。(※)
例えば、(注でも紹介されている)第12話「オイレンシュピーゲルがブーデンシュテット村の聖堂世話人となり、司祭が教会のどまん中に糞をたれ、オイレンシュピーゲルがそれでビール一樽分せしまたこと」という話がある。内容はタイトルの通りなのだけれど、司祭がミサ中にちょっとした失敗をやらかした。それを目ざとくオイレンシュピーゲルが指摘したので、二人の間で口論になる。司祭は「この教会はわしのものだぞ。わしは教会のどまんなかで糞をたれることだって出来るんだぞ」と言った。本当にそんなことができるかビール一樽賭けようとオイレンシュピーゲルが持ちかける。で、司祭は言ったとおりに教会に糞をたれるのだけれど、オイレンシュピーゲルが位置を計ってみたら真ん中ではなかったのでビール一樽は彼がせしめたというわけです。
(一応補足しておくと、司祭の意図は、糞をできる=それだけ聖堂は自分の自由に出来る というつもりだった)
・・・ね? (同意を求める)
上に君臨してる人間というのは、君臨しているというだけで下の人間を抑圧します。(たとえ、ほんとにその人たちが立派な人であったとしても)抑圧に耐えかねた下の人たちが鬱憤を晴らすために、彼らを“笑い飛ばす”という方法をとる事がある。それは実際に彼らを役職から引きずり降ろす事が目的ではなくて、あくまで、上から抑圧されているというストレスから自分たちを感覚的に解放することが目的なのです。
だから、別に君臨するその人たちは悪ものにはならない。あくまで、笑いの種ということです。普通に生活していてもなかなか笑いの種にはなってくれないんだけれど、英雄がその能力で貶めてくれるおかげで笑える、というわけ。“ある人々にとって良いこと”というのは「笑いをもたらす」ということでもいいんです。
(ちなみに、“ある人々”といっているのは、“それ以外の人々”にとっては不利益になる場合が多々あるからです。「笑いをもたらす」にしても“笑われる方”にとってはそんなに嬉しいことではない。)
※ “(元)校長”は自ら威張り散らしてるので、その笑いの種たる性質を引っ張り出す必要はないのだけれど、その行為に拍車をかけるじーさんのような存在(じーさんが被害者であれ、加害者であれ)によって、さらに貶められる・・・という構造だと思う。「ティル・オイレンシュピーゲル~」の場合は、オイレンシュピーゲルが人物から笑いの種になる性質を引っ張り出す。
だから、
キ●ンビール工場のような髪型の彼は
英雄になれるかもしれないんだよ。
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下ネタはかなり過激です。好きな方、免疫のある方/つけたい方にはお勧め!
とんち話としては面白い類だと思いますし、なによりこんな話が岩波にっ!?という驚きも。
とっつきにくかった(口角を指で引っぱって)岩波文庫デヴューにもお勧めです。
・ ・ ・
追記/ しまった!超能力を使って偉い人を陥れる話を引用するべきだった!
第15話「オイレンシュピーゲルが医者というふれこみでマクデブルク司教の博士に調剤し、騙したこと。」とかのほうがよかった。・・・おっきな書店で探してみてね!
すでに第12話でもみられたようにオイレンシュピーデルの話には糞の話が非常に多い。(中略)糞をめぐる民俗は極めて多様であって、古来予言や予防、薬、悪霊祓いのまじないなどいろいろな用途があった。ここでは単純に臭いもの、嫌うべきもの典型として用いられている。しかし単に嫌うべきものではなく、これを自分の中から生み出したという親密な関係にあるものなのである。オイレンシュピーゲルはいつでもとてつもなく臭いおならと糞を大量に放つ事ができた。これも常人のできることではない。英雄の条件を満たしていたのである。
〔訳/阿部謹也『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(岩波文庫) 解説より引用〕
そんなわけで、キ●ンビール工場のような髪型の彼は
英雄になれるかもしれない!
・・・<英雄>って何?という疑問を仰られる方もいると思います。簡単に言えば“ふつうの人に出来ないことができる人”で、かつ“ある人々にとって良いことをした人”です。神さまから火を盗んで自由に使えるようにしたプロメテウスのように、何かしらの技術を人間にもたらした英雄は<文化英雄>というふうにも言われます。
さて、上記『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』(岩波文庫)の注から引用したのですが、このオイレンシュピーゲルという人は“糞や屁を自在に出す”という超能力を持っている。その力で、聖職者や王様などを陥れて民衆の笑いの種にすることがある。
偉い人を陥れて民衆の笑いの種にする、という点で言えば、『でんじゃらすじーさん』の“(元)校長”が、役職から判断すれば立派ですごく偉い人のはずなのに、ろくなことをしていない。そういうギャップが面白い、という、そういう笑いと同質のもののように思えます。(※)
例えば、(注でも紹介されている)第12話「オイレンシュピーゲルがブーデンシュテット村の聖堂世話人となり、司祭が教会のどまん中に糞をたれ、オイレンシュピーゲルがそれでビール一樽分せしまたこと」という話がある。内容はタイトルの通りなのだけれど、司祭がミサ中にちょっとした失敗をやらかした。それを目ざとくオイレンシュピーゲルが指摘したので、二人の間で口論になる。司祭は「この教会はわしのものだぞ。わしは教会のどまんなかで糞をたれることだって出来るんだぞ」と言った。本当にそんなことができるかビール一樽賭けようとオイレンシュピーゲルが持ちかける。で、司祭は言ったとおりに教会に糞をたれるのだけれど、オイレンシュピーゲルが位置を計ってみたら真ん中ではなかったのでビール一樽は彼がせしめたというわけです。
(一応補足しておくと、司祭の意図は、糞をできる=それだけ聖堂は自分の自由に出来る というつもりだった)
・・・ね? (同意を求める)
上に君臨してる人間というのは、君臨しているというだけで下の人間を抑圧します。(たとえ、ほんとにその人たちが立派な人であったとしても)抑圧に耐えかねた下の人たちが鬱憤を晴らすために、彼らを“笑い飛ばす”という方法をとる事がある。それは実際に彼らを役職から引きずり降ろす事が目的ではなくて、あくまで、上から抑圧されているというストレスから自分たちを感覚的に解放することが目的なのです。
だから、別に君臨するその人たちは悪ものにはならない。あくまで、笑いの種ということです。普通に生活していてもなかなか笑いの種にはなってくれないんだけれど、英雄がその能力で貶めてくれるおかげで笑える、というわけ。“ある人々にとって良いこと”というのは「笑いをもたらす」ということでもいいんです。
(ちなみに、“ある人々”といっているのは、“それ以外の人々”にとっては不利益になる場合が多々あるからです。「笑いをもたらす」にしても“笑われる方”にとってはそんなに嬉しいことではない。)
※ “(元)校長”は自ら威張り散らしてるので、その笑いの種たる性質を引っ張り出す必要はないのだけれど、その行為に拍車をかけるじーさんのような存在(じーさんが被害者であれ、加害者であれ)によって、さらに貶められる・・・という構造だと思う。「ティル・オイレンシュピーゲル~」の場合は、オイレンシュピーゲルが人物から笑いの種になる性質を引っ張り出す。
だから、
キ●ンビール工場のような髪型の彼は
英雄になれるかもしれないんだよ。
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下ネタはかなり過激です。好きな方、免疫のある方/つけたい方にはお勧め!
とんち話としては面白い類だと思いますし、なによりこんな話が岩波にっ!?という驚きも。
とっつきにくかった(口角を指で引っぱって)岩波文庫デヴューにもお勧めです。
・ ・ ・
追記/ しまった!超能力を使って偉い人を陥れる話を引用するべきだった!
第15話「オイレンシュピーゲルが医者というふれこみでマクデブルク司教の博士に調剤し、騙したこと。」とかのほうがよかった。・・・おっきな書店で探してみてね!
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