深水ニシンの個人サイト「あらしののはら」管理用ブログです。
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小題 「野生と知恵と王座のお話」
※ 先に書いた記事があまりに酷かったので書き直しました;
わざぐぅの感想を挙げる前にちょっとだけご挨拶。
感想は明日までに挙げる!無理なら木曜日!・・・ちょっと今、キキ君が熱い!
繰り返しになりますが、
ここのブログでは近々オズ・シリーズの紹介もあげる予定でいます。本来「好きなもの語り」というのが目的のサイトなので、『わざぼー』だけで運営するつもりはなくて、延々、好きなものについて語りたいと思っていました。
オズ・シリーズと聞いて聞きなれないと思いますが、ここでは皆さんご存知の『オズの魔法使い(原題:Wonderful Wizard of Oz)』を含むライマン・フランク・ボームによるオズの国の物語14作品のことを示します。実はオズ・シリーズというと作品の熱心なファンによって作者の死後も描き続けられているので、もっと冊数が行くのだけれど、扱いが面倒くさいので私は作者の手による14冊のみに絞らせていただきます(汗
それで、第一回は私の大好きなお馬鹿な悪人キキ・アルー君の登場する
『オズの魔法比べ(原題:Magic of Oz)』 について語りたいと思っていたのですが、
ことのほか書き方に戸惑っていて文章がまとまりません。
とりあえず、 今回はキキ・アルー君について紹介しようと思います。
※ 先に書いた記事があまりに酷かったので書き直しました;
わざぐぅの感想を挙げる前にちょっとだけご挨拶。
感想は明日までに挙げる!無理なら木曜日!・・・ちょっと今、キキ君が熱い!
繰り返しになりますが、
ここのブログでは近々オズ・シリーズの紹介もあげる予定でいます。本来「好きなもの語り」というのが目的のサイトなので、『わざぼー』だけで運営するつもりはなくて、延々、好きなものについて語りたいと思っていました。
オズ・シリーズと聞いて聞きなれないと思いますが、ここでは皆さんご存知の『オズの魔法使い(原題:Wonderful Wizard of Oz)』を含むライマン・フランク・ボームによるオズの国の物語14作品のことを示します。実はオズ・シリーズというと作品の熱心なファンによって作者の死後も描き続けられているので、もっと冊数が行くのだけれど、扱いが面倒くさいので私は作者の手による14冊のみに絞らせていただきます(汗
それで、第一回は私の大好きなお馬鹿な悪人キキ・アルー君の登場する
『オズの魔法比べ(原題:Magic of Oz)』 について語りたいと思っていたのですが、
ことのほか書き方に戸惑っていて文章がまとまりません。
とりあえず、 今回はキキ・アルー君について紹介しようと思います。
* * *
さて、前回は何を書きたかったのか自分でも良く分からなかった。
キキが好きすぎて一体どうやってPRしたらいいのか方向が定まらなくなっていたのが原因でした。
キキ・アルーは私の萌えポイントをことごとく押さえたキャラなのです。
ちなみに、これを読んでもらえると私が『わざぼー』において、まーさまをやたら肯定したがる理由も分かってもらえるのではないか、と思います。キキ・アルーとまーさまは似たような種類の悪人ではないか、と勝手に思ってます。
・・・せっかくここが『わざぼー』を扱っているページなので、ちょっとだけ横道にそれた話をすると、まーさまとシッポウ君はコスチュームが何となく似ている。これについて、私は当初、性質が一致する部分があるから似せたデザインにしたのではないかと疑いました。その仮説が当てはまりそうなキーワードが“野生”です。まーさまもシッポウ君も“野生児”だったのではないか。
・・・何言ってるの?
ということで、話を分かりやすくするために<野生児>という言葉について私の定義を明らかにしておきます。
社会から孤立しており、いかなる社会における善悪観にもとらわれない自己の欲求に忠実な人
という意味で使用しております。
シッポウ君はまーさまの部下だから、まーさまを規範にした社会に所属するのではないか?と思われるかもしれませんが、シッポウ君は“戦いたい”という欲求に“まーの命令”という行動理由をあてはめたものの、“みみみへの報恩/忠義”に揺れた心境が社会から孤立した中立の立場にあった瞬間ではないかと思う。結局みみみのほうに流れていってしまう・・・飼い犬体質だな、この野生の戦士は。
そういえば、むむ君も似たような過程を経ているけれど、彼のあの長いスパンに対してシッポウ君はほぼ瞬殺だ(看病の数日があるか)。“野生”が馴らされるまでの時間は性格によって違うってことですね!たとえば“疑り深い”とか“臆病”だとか・・・。
*
――さて、キキ君のお話。
キキ・アルーはこういう山(下の絵参照)のてっぺんに住んでいます。
バトルクリフじゃないよ!マンチ山というオズの国の東側マンチキンの国にある山です。
てっぺんに住んでいる一族なのでHyup(ハイアップ/てっぺん)族と言います。マンチ山が険しくて下界の人間も山の上のてっぺん族も行き来する事が出来ないので、互いに干渉することはありません。しかも、下界の人たちは山の頂上に人が住んでいるとも思っていない。てっぺん族はいわば忘れられた存在なわけです。
キキは周囲から孤立している故郷の村をを嫌っており、広い世界を知りたいと兼ねてから思っていました。ある日、偶然<変身の呪文>を手に入れる。魔法はオズの国では支配者以外には禁じられていたので、魔術師だった父親は法律が解除されるその日まで呪文を隠しておこうと思った。キキは隠し場所を偶然見つけたのでした。
キキ・アルーはどんな物にでも変身させたり元に戻したり自在にできる力を手に入れました。オズ・シリーズにおいて<姿を変化させる>魔法は最強最悪の魔法のように描かれているのですが、それほど強い力を持っていてかつ呪文だけで魔法が成立する!というのがとても画期的でした。魔法には儀式や道具が必要だと思われていたからです。それが何もいらずに、変化させたいというアイデアと呪文の言葉さえあれば、魔法を使う事が出来る。
キキ・アルーは呪文を奪われないために必死になります。
さて、キキ君の本来の目的というのは“広い世界を知りたい”ということなので、決してそれ自体は“悪”ではなかった。それでも、彼が悪人になってしまったのは、彼の見識の狭さと知恵の浅さによる自己判断力の弱さでした。なんていうと、キキ・アルーがとってもお馬鹿のようですが、お馬鹿でした。ただのお馬鹿ではありません。イノセントなお馬鹿でした。
キキ・アルーは先ほどマンチ山の図を見せたように、下界すなわちオズの国の社会とは隔絶している。オズの国の支配を受けながらも、その影響力を知らない。世間知らずゆえのイノセントだったのでした。世の中のことを何も知らないキキは物事のバランスを考慮に入れた相対的な価値判断はせずに、自分の中にある絶対的な価値判断で行動する。ゆえに、欲望に忠実でした。欲しいと思えば盗みも厭いません。
“盗み”が“悪”だということも知りません。これを見ていたスズメから咎められます。おまえは“悪人”になってしまう、と。しかし、キキは気に留めません。
「おれは自分が悪人だなんて知らなかったぜ。でも、そうだとしたら、ありがたいこった。
おれは善人が嫌いなんだ。だから悪人になりたいなりたいとずっと思ってたんだが、
どうやったらなれるか知らなかっただけだ」
彼は相対的な価値判断はしない。善悪の基準を社会の中には求めず、マンチ山のてっぺんのように孤立した自分だけの考えで行動してしまうのです。それはいわば、他の支配の及ばない“野生児”であった、と言えるでしょう。
“強い力”を持った“広い世界を知りたい”だけの“イノセント”な“野生児”・・・
当然、“野生児”というからには常に飼いならされるか、侵されるかの危険に晒されている。懐柔されてしまうか、侵略されてしまうか。彼の“強い力”は支配者にとって魅力的なのです。目をつけられたが最後、野生の自由を謳歌することはできないのでした。
オズの国への復讐を企むラゲドーから“オズの国の支配者として君臨させてやる”という取引をもちかけられて、キキ・アルーは身の振り方を彼に委ねてしまう。一つの国に君臨すると言う事は、支配者が国のすべてになるということでもあるのだから、国にとってキキがすべてになろうとしていた。もはや、国のことを知る必要はないのです。
・・・ただ、このキキ君がかわいいのは向学心があるところです。“オズの国をおまえにやる”と言われて、自分が国の統治者になるらしいことが決まったら、今後の参考のために他国を見ておこうと考える。自国を知ろうと考える。けれども、ラゲドーの悪知恵が勝ってキキの意思とは関係なく身の振り方をほとんど彼に支配されてしまうのでした。
キキ・アルーという悪人は決して性質の悪い“悪”そのものの悪人ではなかった。彼自身があまりにも無知で自分勝手でイノセントだったがために悪に操られてしまった。そういう悪人でした。彼は他の一切を無視して自身によってのみ世界を解釈するような横暴だけでは動いていなかった。“知りたい”という向学心があった。“広い世界を知りたい”という欲求は世の中についての知識と知恵を得たいがためのものだったように思われます。
キキ・アルーは<変身の呪文>という世の中を変えてしまうほどの強い力を持っていたのだけれど、すべては“悪”と結託してしまったことでオズの国の反感を買い、彼のイノセントな性質以外をすべて・・・記憶も欲求も力も・・・すべてを奪い去られてしまった。そうして、オズの国に支配される以外の道はなくなってしまったのでした。
ある意味で、彼は<オズの国>というシステムの不幸な部分を変化させることの出来る<王>として君臨できたかもしれなかった。力はあった。けれども、無知だった。力を持ちながら、周囲からの支配に抗う術を見つけられなかったことがために押さえつけられてしまう、芽を詰まれた英雄未満の子どもの姿を見るようである。
*
私が、キキ・アルーを好きなのは、彼が革命の可能性を持つ“強い力”を持つ“野生児”であったこと。ある社会のルールに囚われない“異邦人”であったこと。それほどの可能性を持っていながら屈服させられてしまう“弱さ”。・・・彼に、オズの国に懐柔されてしまった牙を持つ獣たち“臆病ライオン”や“腹ペコタイガー”と性質の近さを見たからだ。
キキはツメや牙を奪われた無垢な子どもの状態でオズの国に順応するように教育されていくことになるのだけれど、もしも彼が自身の故郷に疑問を抱いたように、新たな故郷であるオズの国の支配についても疑問をもったなら――彼の本質が既存の社会へ疑問を持つというものであったなら――オズの国に何かしらの変化を起すことがあるのかもしれない。
= おまけ =
(※)元ノーム王・ラゲドー
この話に登場するもう一人の悪人。オズ・シリーズにおける“悪”と言ってもいいかもしれません。この人も面白いキャラクターで、シリーズ初登場時はノームの国の王様でロークワットという名前でした。けれど、オズの支配者らとゲームをして負けると、復讐の鬼と化す。次に登場した話ではオズの国に侵攻しようとしたため反撃に遭い記憶を消されてしまいました。名前を新たにラゲドーと名乗ることになる。そしてまた別の作品では、ラゲドーとしてノーム王を続けていたけれど国民の支持を得られずに退位させられることになりました。過去3作品に登場している。
そういった経緯があるため、この作品に登場したときには元ノーム王のラゲドーになっていたのでした。初登場時の設定も名前も残っていない存在なのです。・・・唯一残ったのが“オズの国にとっての脅威(悪)”という性質でした。
さて、前回は何を書きたかったのか自分でも良く分からなかった。
キキが好きすぎて一体どうやってPRしたらいいのか方向が定まらなくなっていたのが原因でした。
キキ・アルーは私の萌えポイントをことごとく押さえたキャラなのです。
ちなみに、これを読んでもらえると私が『わざぼー』において、まーさまをやたら肯定したがる理由も分かってもらえるのではないか、と思います。キキ・アルーとまーさまは似たような種類の悪人ではないか、と勝手に思ってます。
・・・せっかくここが『わざぼー』を扱っているページなので、ちょっとだけ横道にそれた話をすると、まーさまとシッポウ君はコスチュームが何となく似ている。これについて、私は当初、性質が一致する部分があるから似せたデザインにしたのではないかと疑いました。その仮説が当てはまりそうなキーワードが“野生”です。まーさまもシッポウ君も“野生児”だったのではないか。
・・・何言ってるの?
ということで、話を分かりやすくするために<野生児>という言葉について私の定義を明らかにしておきます。
社会から孤立しており、いかなる社会における善悪観にもとらわれない自己の欲求に忠実な人
という意味で使用しております。
シッポウ君はまーさまの部下だから、まーさまを規範にした社会に所属するのではないか?と思われるかもしれませんが、シッポウ君は“戦いたい”という欲求に“まーの命令”という行動理由をあてはめたものの、“みみみへの報恩/忠義”に揺れた心境が社会から孤立した中立の立場にあった瞬間ではないかと思う。結局みみみのほうに流れていってしまう・・・飼い犬体質だな、この野生の戦士は。
そういえば、むむ君も似たような過程を経ているけれど、彼のあの長いスパンに対してシッポウ君はほぼ瞬殺だ(看病の数日があるか)。“野生”が馴らされるまでの時間は性格によって違うってことですね!たとえば“疑り深い”とか“臆病”だとか・・・。
*
――さて、キキ君のお話。
キキ・アルーはこういう山(下の絵参照)のてっぺんに住んでいます。
バトルクリフじゃないよ!マンチ山というオズの国の東側マンチキンの国にある山です。
てっぺんに住んでいる一族なのでHyup(ハイアップ/てっぺん)族と言います。マンチ山が険しくて下界の人間も山の上のてっぺん族も行き来する事が出来ないので、互いに干渉することはありません。しかも、下界の人たちは山の頂上に人が住んでいるとも思っていない。てっぺん族はいわば忘れられた存在なわけです。
キキは周囲から孤立している故郷の村をを嫌っており、広い世界を知りたいと兼ねてから思っていました。ある日、偶然<変身の呪文>を手に入れる。魔法はオズの国では支配者以外には禁じられていたので、魔術師だった父親は法律が解除されるその日まで呪文を隠しておこうと思った。キキは隠し場所を偶然見つけたのでした。
キキ・アルーはどんな物にでも変身させたり元に戻したり自在にできる力を手に入れました。オズ・シリーズにおいて<姿を変化させる>魔法は最強最悪の魔法のように描かれているのですが、それほど強い力を持っていてかつ呪文だけで魔法が成立する!というのがとても画期的でした。魔法には儀式や道具が必要だと思われていたからです。それが何もいらずに、変化させたいというアイデアと呪文の言葉さえあれば、魔法を使う事が出来る。
キキ・アルーは呪文を奪われないために必死になります。
さて、キキ君の本来の目的というのは“広い世界を知りたい”ということなので、決してそれ自体は“悪”ではなかった。それでも、彼が悪人になってしまったのは、彼の見識の狭さと知恵の浅さによる自己判断力の弱さでした。なんていうと、キキ・アルーがとってもお馬鹿のようですが、お馬鹿でした。ただのお馬鹿ではありません。イノセントなお馬鹿でした。
キキ・アルーは先ほどマンチ山の図を見せたように、下界すなわちオズの国の社会とは隔絶している。オズの国の支配を受けながらも、その影響力を知らない。世間知らずゆえのイノセントだったのでした。世の中のことを何も知らないキキは物事のバランスを考慮に入れた相対的な価値判断はせずに、自分の中にある絶対的な価値判断で行動する。ゆえに、欲望に忠実でした。欲しいと思えば盗みも厭いません。
“盗み”が“悪”だということも知りません。これを見ていたスズメから咎められます。おまえは“悪人”になってしまう、と。しかし、キキは気に留めません。
「おれは自分が悪人だなんて知らなかったぜ。でも、そうだとしたら、ありがたいこった。
おれは善人が嫌いなんだ。だから悪人になりたいなりたいとずっと思ってたんだが、
どうやったらなれるか知らなかっただけだ」
(ハヤカワ文庫より引用)
彼は相対的な価値判断はしない。善悪の基準を社会の中には求めず、マンチ山のてっぺんのように孤立した自分だけの考えで行動してしまうのです。それはいわば、他の支配の及ばない“野生児”であった、と言えるでしょう。
“強い力”を持った“広い世界を知りたい”だけの“イノセント”な“野生児”・・・
当然、“野生児”というからには常に飼いならされるか、侵されるかの危険に晒されている。懐柔されてしまうか、侵略されてしまうか。彼の“強い力”は支配者にとって魅力的なのです。目をつけられたが最後、野生の自由を謳歌することはできないのでした。
オズの国への復讐を企むラゲドーから“オズの国の支配者として君臨させてやる”という取引をもちかけられて、キキ・アルーは身の振り方を彼に委ねてしまう。一つの国に君臨すると言う事は、支配者が国のすべてになるということでもあるのだから、国にとってキキがすべてになろうとしていた。もはや、国のことを知る必要はないのです。
・・・ただ、このキキ君がかわいいのは向学心があるところです。“オズの国をおまえにやる”と言われて、自分が国の統治者になるらしいことが決まったら、今後の参考のために他国を見ておこうと考える。自国を知ろうと考える。けれども、ラゲドーの悪知恵が勝ってキキの意思とは関係なく身の振り方をほとんど彼に支配されてしまうのでした。
キキ・アルーという悪人は決して性質の悪い“悪”そのものの悪人ではなかった。彼自身があまりにも無知で自分勝手でイノセントだったがために悪に操られてしまった。そういう悪人でした。彼は他の一切を無視して自身によってのみ世界を解釈するような横暴だけでは動いていなかった。“知りたい”という向学心があった。“広い世界を知りたい”という欲求は世の中についての知識と知恵を得たいがためのものだったように思われます。
キキ・アルーは<変身の呪文>という世の中を変えてしまうほどの強い力を持っていたのだけれど、すべては“悪”と結託してしまったことでオズの国の反感を買い、彼のイノセントな性質以外をすべて・・・記憶も欲求も力も・・・すべてを奪い去られてしまった。そうして、オズの国に支配される以外の道はなくなってしまったのでした。
ある意味で、彼は<オズの国>というシステムの不幸な部分を変化させることの出来る<王>として君臨できたかもしれなかった。力はあった。けれども、無知だった。力を持ちながら、周囲からの支配に抗う術を見つけられなかったことがために押さえつけられてしまう、芽を詰まれた英雄未満の子どもの姿を見るようである。
*
私が、キキ・アルーを好きなのは、彼が革命の可能性を持つ“強い力”を持つ“野生児”であったこと。ある社会のルールに囚われない“異邦人”であったこと。それほどの可能性を持っていながら屈服させられてしまう“弱さ”。・・・彼に、オズの国に懐柔されてしまった牙を持つ獣たち“臆病ライオン”や“腹ペコタイガー”と性質の近さを見たからだ。
キキはツメや牙を奪われた無垢な子どもの状態でオズの国に順応するように教育されていくことになるのだけれど、もしも彼が自身の故郷に疑問を抱いたように、新たな故郷であるオズの国の支配についても疑問をもったなら――彼の本質が既存の社会へ疑問を持つというものであったなら――オズの国に何かしらの変化を起すことがあるのかもしれない。
= おまけ =
(※)元ノーム王・ラゲドー
この話に登場するもう一人の悪人。オズ・シリーズにおける“悪”と言ってもいいかもしれません。この人も面白いキャラクターで、シリーズ初登場時はノームの国の王様でロークワットという名前でした。けれど、オズの支配者らとゲームをして負けると、復讐の鬼と化す。次に登場した話ではオズの国に侵攻しようとしたため反撃に遭い記憶を消されてしまいました。名前を新たにラゲドーと名乗ることになる。そしてまた別の作品では、ラゲドーとしてノーム王を続けていたけれど国民の支持を得られずに退位させられることになりました。過去3作品に登場している。
そういった経緯があるため、この作品に登場したときには元ノーム王のラゲドーになっていたのでした。初登場時の設定も名前も残っていない存在なのです。・・・唯一残ったのが“オズの国にとっての脅威(悪)”という性質でした。
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